ε-160EDはK-ASTECバンド+トッププレートにEAFフォーカサーが固定されている関係で、接眼部を回転することが出来ません。
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なので、構図の変更はガイド鏡を使用して通常のカメラアタッチメントの回転機構を使うことになります。
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 530mmの焦点距離ならガイド鏡による撮影でも問題ないのですが、ほしぞら工房のしばたさんに作って頂いたε-130D+6D用とML16000用のオフアキシスリング がそのまま転用可能なので折角ならオフアキシスで撮影したいと考えてました。

 しかし、このオフアキリングは、バックフォーカスの制限により回転機構が付いていません。
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ε-130Dに取り付けたオフアキシスリング(回転は接眼部の回転機構を利用)

今回ε-160EDのフォーカサーEAFをトッププレートに固定したのは同じ接眼部のε-130Dの回転機構を利用すると光軸がずれてしまったことも一因です。(このε-160EDで光軸がずれるかどうかは未確認)

ε-130D用に作成したオフアキリングをε-160EDにねじ込んでみました。
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するとこの位置で固定されてしまいます。
構図的には0°と90°の2種類で撮影する予定ですが、この位置だと構図が斜めになってしまいます。
横位置だと大体20°〜30°くらい反時計回転、縦位置だと約120度前後反時計回りに回った位置でネジ込みストップしてくれるような厚みが必要です。

そこで光路長に影響を与えない位置(補正レンズと接眼部の間)にシムリングを挟むことにしました。

購入したのはこちら。
シムリング
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岐阜県関市にある岩田製作所さんに依頼しました。セミオーダーが1枚から可能なのでとても重宝しています。
ぴったりな角度になるか不安だったので、色々な厚みのリングを作ってもらいました。
最薄が0.05mm厚。あと0.1mm厚、0.2mm厚、0.3mm厚のシムリングとしました。寸法は補正レンズに合わせて、内径60mm、外径が65mmで真鍮製にしました。(アルミ製だと0.1mm〜)

0.05mm厚を1枚入れたときのオフアキプリズムの位置は...下の写真の通りとなりました。
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ぴったし真横(横構図)で固定されました。
補正レンズは0.75ピッチネジなので1mm厚のシムリングだと360°/0.75=480°回転。
0.05mm厚のシムリングだと480°×0.05mm=24°となります。大体こんなもんですね。

縦構図にするためには、初期値より120°反時計方向に動かす必要があるので、120/480=0.25mm
なので、0.2mm厚のシムリングを加えて合計0.25mmとしたところ....
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EOS用のオフアキリングでOKでしたが、冷却CCDカメラのオフアキリングではどうなのか確認してみました。(どちらも合う様に作ってもらっているので大丈夫なはずですが....)
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バッチリ同じ位置(上側にオフアキプリズム)で固定されました。

結果ε-160ED(K-ASTECバンド+トッププレートにEAF固定仕様)+オフアキリングで接眼部の回転機構を使わずに写野の回転(0°と90°の2種類)が可能となりました。

横構図なら0.05mmシムリング1枚
縦構図なら0.25mm(0.05+0.2mm)シムリング各1枚

0.05mmはつけっぱなしにして、0.2mmシムリングの着脱により縦横構図を変更出来ます。
岩田製作所さんありがとうございます。