9月23日夜台風15号が去った後、久しぶりに透明度の良い夜空になりました。最近本当に晴れなくて実に20日ぶりの撮影です。観測所に入ったら望遠鏡に蜘蛛の巣が張っていました(笑)

 今回シャボン玉星雲を撮影したのですが、この星雲は8月末にHα、O3を6枚ずつ撮影済みでした。
今回ようやく撮り増しです。
シャボン玉星雲SHO2
シャボン玉星雲(NGC7635)SHO
撮影日時:2022年9月23日19時40分〜 
撮影場所:岐阜県土岐市駄知町 自宅観測所
望遠鏡:GS300RC(2440mmF8)
フラットナー:Teleskop-Service TSRCFlat3(3インチ 1.0倍フラットナー)
カメラ:ZWO ASI2600MCPro -10℃ Gain100、Offset25
フィルター:Astrodon 5nm Ha,O3, S2 Filters
赤道儀:Vixen AXD
ガイド:ほしぞら工房社製オフアキシスリング、SX-SuperStar+PHD2+N.I.N.Aによるディザリングオフアキシスガイド
露光:Hα:10分×7枚、O3:10分×10枚、S2:10分×8枚、RGB:5分×7枚
合計露光時間:285分(4時間45分)
画像処理:PixInsightによるマニュアルキャリブレーション。フラットなし。星はRGB画像から転用。

おまけ
シャボン玉星雲RGB5000
シャボン玉星雲ブロードバンド(35分)

今回PixInsightのWBPPで処理してみると途中でなんじゃこれって画像が上がってきました。
スクリーンショット 2022-09-25 16.25.12
スクリーンショット 2022-09-25 16.25.47
スクリーンショット 2022-09-25 16.26.05
上からHα、O3、S2画像です。
Hαは格子状のムラ、O3とS2は斑状のムラ。何これ?
試行錯誤の結果、フラット補正に問題があることが判明。今回フラット補正なしで処理を進めました。
原因は、フラット撮影時間が8秒は短い?WBPPの設定が間違っていた?
検証してみようと思います。


10/1更新
フラット画像の露光時間を色々変えて(1秒、4秒、8秒、16秒)WBPPのテストを行いました。

スクリーンショット 2022-09-30 6.47.43
 左上が1秒、右上が4秒、左下が8秒、右下が16秒露光のFlat画像からキャリブレーションしました。
不思議なことに格子状のムラは出ませんでした。設定でなにかおかしな事をしたのかな。
露光時間だけで比較すると8秒以上露光しないとノイズが凄いです。
また、WBPPの途中でPrate solvingエラーが発生して止まってしまいます。
スクリーンショット 2022-09-30 21.03.25
最近のVerからWBPPでPrate solvingで位置合わせするようになったようです。
ノイズが多い画像なので判別出来ないのかもしれません。

格子状のノイズが現れなくなったので、もう一度WBPPで処理し直したシャボン玉星雲をアップします。
バブル星雲_LRGB_SCNR_INV_SCNR_Ps2_Ymask_CT3 5000
WBPPによるCalibrationした画像。星もSHO画像。
処理
1)WBPPにてCalibration。
2)Lum画像の生成・・・S2、Hα、O3画像を加算し白黒化してLumとする。
3)星マスクしてDeconvolution。
4)SHO画像の生成
   ・S2、Hα、O3の各画像をRGB分解。
     ・S2のRGB画像はREDチャンネルのみ採用しRedとする。
  ・HαのRGB画像はREDチャンネルのみ採用しGreenとする。
  ・O3のRGB画像のうちGREENとBlueチャンネルを加算しBlueとする。
  ・2)で作成したLumと3)で作成したRGB画像をLRGB合成する。
5)SCNRで緑成分を減弱させる。
6)星の周りのマゼンタ色を消すために画像を反転し再度SCNRを掛ける。
7)画像反転して元に戻し、星マスクしながらHT。
8)カラーマスクで黄色マスクを作り、分子雲の黄色を減弱。
9)TIFFで保存。
10)PsCCで開き、ローカルコントラスト調整、カブリ除去、色調補正。
11)NoiseXTerminatorにてノイズ除去。
12)再度Psにて微調整で完成。