昨年のCANP2024のプレゼンで感銘をうけて購入したSeestarS50は、自動導入・オートフォーカス・自動スタック撮影可能な優れた天体望遠なのですが、経緯台式なので設置が簡便な反面、視野が回転する、ガイドに失敗することがたまにあり、撮影歩留まりが良くありませんでしたが、ついに待望の赤道儀モードが正式に追加され、試しに撮影してみました。
赤道儀モードではSeestar本体を撮影地の緯度に合わせて傾ける必要があります。私の自宅では約35°。
最初ボール雲台を使って本体を傾けてみました。

やはり不安定。北極方向に三脚の足を合わせても本体の傾きにより重心が前側になるため転倒の不安がありました。それでも動作してみるとなんとかなりそうです。赤道儀モードのセッティング後撮影してみると......あれ?全部星が流れてしまいます。ボール雲台ではSeestarの重さを支えきれないようで、撮影中に撓んでしまい星が流れてしまうようでした。時間が経てば落ち着くこともあるので5-6分待ってみたのですが、星の流れは多少改善してきたものの、完全に丸くなることがなかったため、諦めてネットで調べた部材を取り寄せました。

赤道儀モードではSeestar本体を撮影地の緯度に合わせて傾ける必要があります。私の自宅では約35°。
最初ボール雲台を使って本体を傾けてみました。

やはり不安定。北極方向に三脚の足を合わせても本体の傾きにより重心が前側になるため転倒の不安がありました。それでも動作してみるとなんとかなりそうです。赤道儀モードのセッティング後撮影してみると......あれ?全部星が流れてしまいます。ボール雲台ではSeestarの重さを支えきれないようで、撮影中に撓んでしまい星が流れてしまうようでした。時間が経てば落ち着くこともあるので5-6分待ってみたのですが、星の流れは多少改善してきたものの、完全に丸くなることがなかったため、諦めてネットで調べた部材を取り寄せました。

上からアングルプレート、ED70SSに付属していたアリガタプレート、そして赤いのがスカイメモS用微動雲台です。
上から見た写真。アングルプレートにはコンパスと水準器が付いています。
SeestarS50を取り付けてみました。

ED70SSのアリガタプレートの固定位置を 調整して全体に後ろに下げることにより、重心がSeestarS50の中央部に来て格段に安定しています。

SeestarS50をネジ固定。
SeestarS50のネジ穴は3/8インチ大型カメラネジなのですが、このアングルプレートのネジは1/4インチネジ穴とその穴径のスライドバカ穴のみです。仕方ないので、1/4インチネジ→3/8インチネジ変換アダプターを取り付けて固定しました。
赤い微動雲台にはアリミゾの長さに合わせた短いアリガタプレートが付属していましたが、どれだけ強くねじ込んでもネジが緩んできてしまうのと、もう少し後ろに移動させて三脚中央部とSeestarS50本体の重心を合わせたかったため、観測所に転がっていたED70SSのアリガタプレートを使いました。色が白ですがバランスもバッチリ合いました。
この組み合わせで撮影してみました。
微動雲台が付いているので極軸あわせは超楽ちんです。高度、左右ともに0.1°位まで合わせられます。ボールベアリング雲台では、本体を掴んで手で合わせていたので、上下左右は緑のチェックマークが付けばOKにしていました(±0.4°程度が限界)。
程なく極軸あわせは完了し、撮影に入ります。
テスト撮影なのでメジャー対象のM81、M82にしました。
一発で中央に狙った対象が入ってきます。イイネー。
撮影が始まると、今まで経緯台モードではかなりの頻度で失敗していたスタック処理が殆ど成功しています。全てのコマを見ているわけではありませんが、5分ほどの間では全て成功していました。今まで60分露光でも約1.5倍〜2倍の時間が掛かっていたのでありがたいです。
また、このSeestarには輝星に光条が出るように十字線入りのフードを付けているのですが、輝星の光条が綺麗な線になり、経緯台モードで見られる視野回転に伴う光条の太大はありません。中々良いですね。
長くなりましたが、結果です。

SeestarS50の赤道儀モードによるM81,82。
IR-CUTフィルターで17分露光。スマホに転送されてきた画像のまま。処理なし。

SeestarS50の赤道儀モードによるM81,82。
1枚20秒露光。
ナローバンドフィルターで130分露光。スマホに転送されてきた画像のまま。処理なし。
こちらは色むらが結構ありました。原因不明(寝てしまっていたので)
PixInsightにて処理してみました。

SeestarS50の赤道儀モードによるM81,82。
1枚20秒露光。
ブロードバンドフィルター+銀河部のみナローバンドフィルターの画像を30%加算。
翌日晴れていたのでM106を撮影しました。

SeestarS50の赤道儀モードによるM106
1枚20秒露光。
IRCUTフィルターで202分露光。スマホに転送されてきた画像のまま。処理なし。
こちらも色むらがあります。
こちらもPixInsightで処理しました。

SeestarS50の赤道儀モードによるM106
PixInsightにてGraXpert、BXT、AS、HT、CT。
PsCCにてカブリ処理、NXTにてノイズ処理。
ガイドが安定し歩留まりが良くなったので1枚あたりの露光は20秒にしてみましたが、余裕あります。
非冷却カメラなのでこれからの暖かくなってからは長時間露光は厳しいかもしれませんが、冬場の気温が低いときなら30秒でも大丈夫そうです。(60秒露光が可能になるという噂もありますが)
この赤道儀モードの状態で、モザイク撮影って可能なのでしょうか....一度試して見ようと思います。
2025年4月11日追加
SeestarS50とアングルプレートとの接続が1/4インチネジ+1/4インチ→3/8インチ変換ネジを使っていました。固定には六角ネジが必要だったので、これをSeestarS50の接続ネジ3/8インチが直接ねじ込めて、かつ用手的に固定できるスターノブに交換しました。
近くのホームセンターで3/8インチの35mmの長さの六角ネジとスターノブとバネワッシャを購入。
アングルプレートの先端のネジ穴は1/4インチだったのでドリルで10mmの穴に広げて、3/8インチネジを通してSeestarS50を固定しました。

これで固定が楽に出来るようになりました。

上から見た写真。アングルプレートにはコンパスと水準器が付いています。
SeestarS50を取り付けてみました。

ED70SSのアリガタプレートの固定位置を 調整して全体に後ろに下げることにより、重心がSeestarS50の中央部に来て格段に安定しています。

SeestarS50をネジ固定。
SeestarS50のネジ穴は3/8インチ大型カメラネジなのですが、このアングルプレートのネジは1/4インチネジ穴とその穴径のスライドバカ穴のみです。仕方ないので、1/4インチネジ→3/8インチネジ変換アダプターを取り付けて固定しました。
赤い微動雲台にはアリミゾの長さに合わせた短いアリガタプレートが付属していましたが、どれだけ強くねじ込んでもネジが緩んできてしまうのと、もう少し後ろに移動させて三脚中央部とSeestarS50本体の重心を合わせたかったため、観測所に転がっていたED70SSのアリガタプレートを使いました。色が白ですがバランスもバッチリ合いました。
この組み合わせで撮影してみました。
微動雲台が付いているので極軸あわせは超楽ちんです。高度、左右ともに0.1°位まで合わせられます。ボールベアリング雲台では、本体を掴んで手で合わせていたので、上下左右は緑のチェックマークが付けばOKにしていました(±0.4°程度が限界)。
程なく極軸あわせは完了し、撮影に入ります。
テスト撮影なのでメジャー対象のM81、M82にしました。
一発で中央に狙った対象が入ってきます。イイネー。
撮影が始まると、今まで経緯台モードではかなりの頻度で失敗していたスタック処理が殆ど成功しています。全てのコマを見ているわけではありませんが、5分ほどの間では全て成功していました。今まで60分露光でも約1.5倍〜2倍の時間が掛かっていたのでありがたいです。
また、このSeestarには輝星に光条が出るように十字線入りのフードを付けているのですが、輝星の光条が綺麗な線になり、経緯台モードで見られる視野回転に伴う光条の太大はありません。中々良いですね。
長くなりましたが、結果です。

SeestarS50の赤道儀モードによるM81,82。
IR-CUTフィルターで17分露光。スマホに転送されてきた画像のまま。処理なし。

SeestarS50の赤道儀モードによるM81,82。
1枚20秒露光。
ナローバンドフィルターで130分露光。スマホに転送されてきた画像のまま。処理なし。
こちらは色むらが結構ありました。原因不明(寝てしまっていたので)
PixInsightにて処理してみました。

SeestarS50の赤道儀モードによるM81,82。
1枚20秒露光。
ブロードバンドフィルター+銀河部のみナローバンドフィルターの画像を30%加算。
翌日晴れていたのでM106を撮影しました。

SeestarS50の赤道儀モードによるM106
1枚20秒露光。
IRCUTフィルターで202分露光。スマホに転送されてきた画像のまま。処理なし。
こちらも色むらがあります。
こちらもPixInsightで処理しました。

SeestarS50の赤道儀モードによるM106
PixInsightにてGraXpert、BXT、AS、HT、CT。
PsCCにてカブリ処理、NXTにてノイズ処理。
ガイドが安定し歩留まりが良くなったので1枚あたりの露光は20秒にしてみましたが、余裕あります。
非冷却カメラなのでこれからの暖かくなってからは長時間露光は厳しいかもしれませんが、冬場の気温が低いときなら30秒でも大丈夫そうです。(60秒露光が可能になるという噂もありますが)
この赤道儀モードの状態で、モザイク撮影って可能なのでしょうか....一度試して見ようと思います。
2025年4月11日追加
SeestarS50とアングルプレートとの接続が1/4インチネジ+1/4インチ→3/8インチ変換ネジを使っていました。固定には六角ネジが必要だったので、これをSeestarS50の接続ネジ3/8インチが直接ねじ込めて、かつ用手的に固定できるスターノブに交換しました。
近くのホームセンターで3/8インチの35mmの長さの六角ネジとスターノブとバネワッシャを購入。
アングルプレートの先端のネジ穴は1/4インチだったのでドリルで10mmの穴に広げて、3/8インチネジを通してSeestarS50を固定しました。

これで固定が楽に出来るようになりました。
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