エクステンダーε-160EDの性能は非常に高く、ε-160EDの結像性能を損なわないままで焦点距離を1.5倍(530mm→800mm)としてくれる魅力的なエクステンダーです。
ε-160EDを購入した2020年当初より、発売がアナウンスされていてスポットダイアグラムから、普通のエクステンダーではない事が示唆されていました。
 2023年にようやく発売となり購入するか熟慮した結果、800mmの焦点距離の望遠鏡は他にASA10N(900mm)、R200SS(760mm)を所有していて、そこに800mmが加わったとしても、似たような焦点距離の望遠鏡があっても意味ないと結論し購入には至りませんでした。
 
 しかし、この約3年間ε-160EDを所有していて高性能なエクステンダーを買わないことに心のどこかに引っかかりがありました。現在タカハシは望遠鏡の出荷状況が不安定で、いつ発売を停止するか分かりません。もしもの事があれば、あのとき買っておけば良かったと後悔するかもと思い始めました。

 結局4月末にエクステンダーを購入。テスト撮影してカタログ通りの高性能な結像性能に満足しています。現在ε-160EDで撮影する場合は、ε-130Dと並列同架で同時撮影しています。エクステンダー160EDを付けた場合、800mmに対してε-130Dは430mm。2倍近い差になってしまいます。ε-130D用のエクステンダーも買わなきゃと思ったのですが、ε-130DはAPS-CのASI2600MCProを取り付けることで、エクステンダーを付けたときと同じ画角となります。いつかは買うことになるかもしれませんが、取り敢えずエクステンダー160EDを付けたときのε130DはAPS-Cの2600MCProで運用することとしました。

 前置きが長くなりすぎました。早速上記システムで遠征した撮影画像をお見せします。今更ですが....(笑)IMG_7037
手前がε-160ED+エクステンダー160ED+ASI6200MMPro+CFW1-5です。向こう側がε-130D+ASI2600MCProです。

M81,M82_E160ED_ET160ED_LUM_2600MCP_LRGB_NO3 のコピー
M81、M82
撮影日時:2026年5月17日20時30分〜
撮影場所:長野県上村峠道
望遠鏡:①ε-160ED(530mm F3.3)+エクステンダー160ED(800mm F5)
              ②ε-130D(430mm F3.3)
カメラ:③ZWO ASI6200MMPro -20℃ Gain100、Offset50
    ④ZWO ASI2600MCPro -20℃ Gain100、Offset50
フィルター:⑤Astrodon Gen-2 Tru-Blance I-Series L Filter
      ⑥ZWO標準のUV/IR cut filter.
赤道儀:Vixen AXD赤道儀
並列同架プレート:K-ASTEC並列同架プレート:AP100-340
ガイド:5cmF4ガイド鏡+PHD2+ASI224MCによるガイド。
露光:①+③+⑤:3分×32枚=96分
   ②+④+⑥:3分×32枚=96分
総露光時間:192分(3時間12分)
処理:PixInsight、PsCCにて処理。

KUJIRA_E160ED_ET160ED_6200MMP_Lum E130D_2600MCPLRGB_no3 5500
クジラ銀河付近
撮影日時:2026年5月17日22時32分〜
撮影場所:長野県上村峠道
望遠鏡:①ε-160ED(530mm F3.3)+エクステンダー160ED(800mm F5)
              ②ε-130D(430mm F3.3)
カメラ:③ZWO ASI6200MMPro -20℃ Gain100、Offset50
    ④ZWO ASI2600MCPro -20℃ Gain100、Offset50
フィルター:⑤Astrodon Gen-2 Tru-Blance I-Series L Filter
      ⑥ZWO標準のUV/IR cut filter.
赤道儀:Vixen AXD赤道儀
並列同架プレート:K-ASTEC並列同架プレート:AP100-340
ガイド:5cmF4ガイド鏡+PHD2+ASI224MCによるガイド。
露光:①+③+⑤:3分×20枚=60分
   ②+④+⑥:3分×20枚=60分
総露光時間:120分(2時間00分)
処理:PixInsight、PsCCにて処理。

スタークラウド全て加算平均 pip2 5500
スタークラウド
撮影日時:2026年5月17日23時54分〜
撮影場所:長野県上村峠道
望遠鏡:①ε-160ED(530mm F3.3)+エクステンダー160ED(800mm F5)
              ②ε-130D(430mm F3.3)
カメラ:③ZWO ASI6200MMPro -20℃ Gain100、Offset50
    ④ZWO ASI2600MCPro -20℃ Gain100、Offset50
フィルター:⑤Astrodon Gen-2 Tru-Blance I-Series L Filter
      ⑥ZWO標準のUV/IR cut filter.
赤道儀:Vixen AXD赤道儀
並列同架プレート:K-ASTEC並列同架プレート:AP100-340
ガイド:5cmF4ガイド鏡+PHD2+ASI224MCによるガイド。
露光:①+③+⑤:3分×32枚=96分
   ②+④+⑥:分×32枚=96分
総露光時間:192分(3時間12分)
処理:PixInsight、PsCCにて処理。

M8M20_E160ED_ET160ED_6200MMP_E130D_2600MCP_LRGB4 5000
M8、M20
撮影日時:2026年5月18日01時47分〜
撮影場所:長野県上村峠道
望遠鏡:①ε-160ED(530mm F3.3)+エクステンダー160ED(800mm F5)
              ②ε-130D(430mm F3.3)
カメラ:③ZWO ASI6200MMPro -20℃ Gain100、Offset50
    ④ZWO ASI2600MCPro -20℃ Gain100、Offset50
フィルター:⑤Astrodon Gen-2 Tru-Blance I-Series L Filter
      ⑥ZWO標準のUV/IR cut filter.
赤道儀:Vixen AXD赤道儀
並列同架プレート:K-ASTEC並列同架プレート:AP100-340
ガイド:5cmF4ガイド鏡+PHD2+ASI224MCによるガイド。
露光:①+③+⑤:3分×33枚=99分
   ②+④+⑥:分×32枚=96分
総露光時間:192分(3時間15分)
処理:PixInsight、PsCCにて処理。

コメント;期待通りの性能を見せてくれました。ε-160EDの500mmの画角に加えて、800mmが撮影出来るようになりました。春の季節500mm前後では撮影対象がなく困っていましたが、800mmで切り出した画像を見ると意外と銀河もいけそうです。買って良かったです。

おまけ
このシステムで撮影している傍らで、ポタ赤+カメラレンズでも撮影しました。

サソリ付近_SAMYANG35㎜f1.4-2_EOS6D_SEOSP5_no5 5500
天の川銀河中心方向
撮影日時:2026年5月17日22時58分〜
撮影場所:長野県上村峠道
レンズ:Samyang35mmF1.4→2
カメラ:EOS6D(SEO-SP5) ISO1600
フィルター:なし
赤道儀:Vixen GPD赤道儀ポタ赤仕様
ガイド:なし。赤道儀の恒星時駆動
露光:1分×133枚=133分
処理:PixInsight、PsCCにて処理。天の川中心方向星景2
景色も入れて。

カシオペア座からケフェウス座_stitch 6000 のコピー
ケフェウス座付近(モザイク)
撮影日時:2026年5月17日22時58分〜
撮影場所:長野県上村峠道
レンズ:Samyang35mmF1.4→2
カメラ:EOS6D(SEO-SP5) ISO1600
フィルター:なし
赤道儀:Vixen GPD赤道儀ポタ赤仕様
ガイド:なし。赤道儀の恒星時駆動
露光:東側1分×49枚=49分
   西側1分×40枚=40分
処理:PixInsight、PsCCにて処理。


約1年ぶりの遠征でした。やっぱり暗い空の下はアドレナリンがでますね。

6/6追加記載
今回の遠征でトラブルもありました。忘れないように記載しておきます。

1)ASI冷却カメラが冷えなかった。
 冷却ボタンをオンとしても2台とも温度が下がらない不具合あり。
原因はUSB3.0の3M延長ケーブルでした。星鳥さんにUSB2.0延長ケーブルをお借りして問題解決。
対策)
USB2.0ケーブルで問題ないものの、6000万画素のカメラの撮影画像の容量だと結構転送に時間が掛かりピント合わせでもたつくので、後日リピーター搭載したUSB3.0延長ケーブルを購入しました。

2)ガイドが流れる。
機材を設置した場所がアスファルトなどの硬い地面ではなく土の上だったので三脚ベースを付けたのですが、それでも時間と共に少しずつ機材が沈み込むような動きをしていました。
対策)
もっと大きな三脚ベースにするか、重い機材はやめる。

3)ピントが合っていない+光軸ズレ(ε130D)
 ε-130Dにて使っていたK-ASTECのフォーカサーが調子悪くなり、最近EAFフォーカサー+K-ASTECのクラッチ付き取り付け金具に交換しました。今回初めての実戦投入となりましたが、N.I.N.A.でバックラッシュの値を150〜300まで色々変えてみたのですが、どうやってもオートフォーカスの2次曲線が綺麗なカーブにならずM字になってしまいエラー。結局マニュアルで合わせたのですが、その後合わせ直さなかったので夜半過ぎの写真が結構なピンボケ。また、ピント固定ネジを閉め忘れたので光軸もズレていた。(光軸は現地でピント固定ネジを締めた状態で合わせた)
ε-160EDは問題なし。同じ形の接眼部ですが、160EDは改良されているのかな。
対策)
・接眼部のバックラッシュの再調整+接続金具のネジ固定のチェックが必要。
・ピント合わせは対象が変わるたびに毎回チェックする。
・ピント合わせた後のピント固定ネジを締め忘れない。

5) ε-160EDに取り付けてあるCFW1-5のUSB端子部の故障(差し込み部の白いパーツが折れた)
 Tezさんに応急処置をしていただき、その場はしのいだ。
対策)
後日TezさんにUSB端子の交換をしていただきました。ありがとうございました。