ここ数年天気が悪く、なかなか晴れないと嘆く日が多いのですが、今年はここぞと言うときに本当に晴れず悔しい思いをしました。そうです、今年7月に大きく明るくなったネオワイズ彗星の事です。
7月3日に近日点を通過し、その後2-3週間が観測好期と言われ毎日のように撮影準備したのですが、結局7月末の梅雨明けまで1日も晴れませんでした。いくら梅雨時でもそれはないよね。23年ぶりの大彗星なのに。星仲間の中には北海道など梅雨の影響を受けない地まで遠征して素晴らしい写真をゲットされていました。悔しい。コロナ禍でなければ僕も行ったのに。(さすがに医療従事者で行くのは憚れます)
一応撮影だけは出来たのですが、本来とはほど遠い 姿しか撮れませんでした。


初撮影、ネオワイズ彗星C/2020 F3
2020年7月14日 20時15分〜 自宅観測所
ASA10N+3” Wynne Corrector +CFW1-5 + ML16000 -15℃
AXD赤道儀 スターブックテンのネオワイズ彗星自動ガイド
L60秒×2、RGB各60秒×1

夕方のネオワイズ彗星
2020年7月19日岐阜県恵那市小里川ダム展望台
Apo-Sonnar135mmF2→2.8+Seo-cooled6D(SEO-SP4C)+HEUIB-2フィルタ
10秒×7枚コンポジット
次回は梅雨時に来るのはやめてね。
話は前後しますが、彗星と言えば今年4月に明るくなると期待されていたアトラス彗星C/2019Y4の核崩壊です。

アトラス彗星核崩壊前後。
期待していただけに残念な彗星でした。やはりイオンの尾だけの彗星は脆いですね。
次に思い出に残る写真はこちら。

二重星団に接近中のパンスターズ彗星
2020年1月31日20時13分〜 岐阜県土岐市駄知町(自宅観測所)
ASA10N+3’ Wynne Corrector(902mmF3.6)
FLI ML16000 -35℃
Astrodon Tru-balance Gen-2 I-series LRGB Filters
AXD赤道儀、6cmF4ガイド鏡+SX-LodeStarにて恒星ガイド
L2分×15枚、RGB各1分×10枚 TOTAL60分
この写真は初めて星ナビに表紙採用されました\(^O^)/
初めてだったのでとても記念になりました。
今年は画像処理ソフトを新たに購入し、今までのフローを何年かぶりに変更した年でした。
画像処理ソフトは世界的に有名なPixInsightです。
随分前から勧められていたのですが、取っつきにくい操作方法と余りに多い処理コマンドになかなか手を付けられませんでしたが避けて通れないと考え、5月に購入となりました。
最初の写真は北アメリカ星雲付近です。
2020年6月12日
北アメリカ星雲とペリカン星雲(左右モザイク)
ASA10N+ML16000
あまり分かっていない状態で処理した最初の写真です。
星のアライメントが優れていますね。いままでCCDStack2のCCDInspectorやSi8のコンポジットを使ってきましたが、ディストーションを補正してくれるので違う望遠鏡やピントの位置が異なるフィルターを付けてのRGB合成時など威力を発揮してくれます。
StarNet++もソフト内に取り込まれていてコマンド入力が不要です。他にも優れた機能が一杯ありますが、今だ使い切れていません。来年はもう少し使えるようにしたいですね。
次は火星です。
今年10月6日に準大接近となった火星の写真です。
このためにASI462MCを購入して最後の大接近に備えました。
C9.25XLT+PowerMate2.5倍テレコン+ZWO ADC+ ASI462MC
それほど褒められた写真ではありませんが、人生最後の火星大接近となるかもしれないので撮影出来て良かったと思います。
次はε-160EDを使った写真です。
まだ遠征で使用していないのと冷却モノクロCCDの撮影ではないので、本来の性能は出し切れていないのですが、自宅から2-3対象撮影してみました。
来年は遠征地に持ち出して撮影してみようと思います。
次は、アストロドンナローフィルターを使っての撮影です。
今年7月に念願のアストロドン5nmナローフィルターをゲットした事は機材編にも書きましたが、今年後半になってようやく撮影が出来るようになりました。
IC405,IC410 勾玉星雲とドクロ星雲左右モザイク合成(LRGB-AOO)
2020年10月21日、23日、27日 自宅観測所
ASA10N+3インチWynne Corrector+(ほしぞら工房社製オフアキリング+CFW1-5)+ML16000 -30℃
Astrodon Gen-2 Tru-Blance I-Series LRGB Filters
Astrodon 5nm Hα, OⅢ Narrowband Filter
AXD赤道儀にてオフアキシスガイド
右側:L10分×15枚、R5分×7枚、G5分×6枚、B5分×9枚、Hα10分×4枚、OⅢ10分×6枚 360分
左側:L10分×10枚、R5分×7枚、G5分×7枚、B5分×8枚、Hα10分×5枚、OⅢ10分×5枚 310分
アストロドンナローフィルターを使っての初撮影作品です。
いきなり左右モザイクに挑戦しました。まだ処理が不安定ですが、これから勉強していきたいです。
2020年12月19日22時34分〜 栗矢観測所
ASA10N+AAF3フォーカサー+3インチWynne Corrector+ほしぞら工房オフアキリング+ML16000-35℃
AXD赤道儀、SX-LodeStar+PHD2にてオフアキシスガイド
Astrodon Gen-2 Tru-Blance I-Series RGB Filters;R5分×2枚、G5分×2枚、B5分×2枚
Astrodon NarrowBand 5nm Ha 50mm round unmounted Filter 10分×8枚
Astrodon NarrowBand 5nm OⅢ 50mm round unmounted Filter 10分×12枚
5枚フィルターホイールからLフィルターを抜いてR、G、B、Hα、OⅢフィルターをセットして撮影しました。
最後は昨年購入しなんとか今年整備が完了したASA望遠鏡による写真たちです。
2月自宅撮影 クラゲ星雲
ASA10N+ML16000
2月自宅撮影 かたつむり星雲
ASA10N+ML16000
2月自宅撮影 クジラ銀河
ASA10N+ML16000
2月自宅撮影 M63黒眼銀河(クロップ)
ASA10N+ML16000
2月 自宅撮影 トールのヘルメット星雲(自宅)
ASA10N+Seo-cooled6D(SEO-SP4C)+AOO(Optolong12nmナローバンドフィルター)
6月 自宅撮影 網状星雲3コマモザイク
ASA10N+ML16000
6月 自宅撮影 コートハンガー星団
ASA10N+ML16000
7月自宅撮影 アイリス星雲
ASA10N+ML16000
10月 すばる(自宅)
ASA10N+ ML16000
11月 NGC253 遠征地
ASA10N+ビクセンエクステンダーPH+Seo-cooled6D(SEO-SP4C)HEUIB2
11月 NGC7293
ASA10N+ビクセンエクステンダーPH+Seo-cooled6D(SEO-SP4C)HEUIB2
11月自宅撮影 アトラス彗星C/2020M3
ASA10N+ビクセンエクステンダーPH+Seo-cooled6D(SEO-SP4C)HEUIB2
アトラス彗星C/2020M3 栗矢観測所
ASA10N+ML16000 RGB(Lなし)
今年はコロナの影響もあって自宅撮影72回でした。遠征は2回だけ。
72回も撮っていたんだとちょっとびっくり。
72回の自宅撮影よりも2回の遠征撮影の方が満足感が高いのはやはり空の暗さから来る写真の満足度が違うからでしょうか。
来年は6回くらい遠征出来たら良いな。
最後に来年の抱負です。
1)GS300RCの整備(光軸調整、接眼部検討)と系外銀河の撮影
2)ナローバンドフィルターを使って撮影と処理方法の確立
3)PixInsightをものにする
来年以降に欲しいものリスト
1)アストロドン5nmナローバンド50mm枠なしSⅡフィルター
2)GS300RC用3インチ接眼部+TSRCFlat3(ねじ込み式3インチフラットナー)
3)CFW2-7(L、R、G、B、Hα、O3、S2フィルターが搭載できるフィルターホイール)
4)TAMRON15-30mmレンズ(高性能な明るい広角ズームレンズ)
5)画像処理用デスクトップパソコン(64GB以上のメモリ)
6)ビクセンFL55SSセットまたはREDCAT(250mm〜300mm前後の高性能望遠鏡)
7)ASI6200またはQHY600(モノクロフルサイズCMOS冷却カメラ)
8)EOS RFマウントカメラ(R6かR5)
*中古も探しています。手放しても良い方連絡お待ちしています。特に赤字の機材を希望しています。🙇
コメント
コメント一覧 (4)
こうやって1年の総決算を眺めていると、のんたさんも相当撮りまくった一年でしたね!
特に星ナビ表紙のパンスターズ彗星は絶大なインパクトでした。
ASAの綺麗な星の具合を見てしまうと、ASAにあこがれる天文ファンも増えたのではないでしょうか。私もその一人です(笑)
それでは、残すところ数時間になりましたが、良いお年を!
来年も宜しくお願いします。
のんた
が
しました
今年は大変お世話になりました。
タカsiさんの遠征回数には勝てません(笑)
また今年タカsiさん、遠隔観測所の開設おめでとうございます。遠征せずとも暗い空で撮影出来るのは羨ましいです。
ASAは憧れの望遠鏡ですね。ただ性能を出し切るためにはかなりスキルが必要です。望遠鏡に負けないよう精進しないとと思っています。
それでは来年もよろしくお願い致します....と言っている家に年が明けてしまいました。
明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。
のんた
が
しました
機材編、写真編、どちらを見てもスゴイの一言です。
初歩的なことを質問するかもしれませんが、その時にはよろしくおねがいします。
のんた
が
しました
こちらこそ色々教えてください。
よろしくお願い申し上げます。
のんた
が
しました