4/15未明に初めてアトラス彗星C/2020R4を撮影しました。
この日光度は8.7等(ステラナビゲータ11)とまあまあ明るくなっています。
スクリーンショット 2021-04-16 23.02.42
 4月15日午前3時25分の位置

地球に近づいているので動きが速く、露出はL2分、RGBは1分としました。
ビクセンのスターブックテンコントローラは彗星の軌道要素を入力し、コントローラから彗星を自動導入すると彗星を追いかけてくれます。彗星が明るいときはガイド鏡で彗星核をガイドするのですが、今回かなり淡く8.7等より暗く感じました。
 スターブックテンコントローラから彗星ガイドは彗星を監視して追いかけるわけではないので、極軸を正確に合わせて、かつ赤道儀のピリオディックモーションが十分小さくないと彗星を正確に追いかけてくれません。特に今回GS300RC直焦点(2440mm)という長焦点をノータッチでガイドせねばならないため、かなりシビアに極軸を合わせました。ピリオディックモーションについてはAXDは3秒程度と優れているので、数分露光でも流れません。(以前1800mmで5分露光でも大丈夫でした)
今回は短時間多数枚(Lは2分、RGBは1分)で撮ることにしました。
スクリーンショット 2021-04-16 23.59.15
スターブックテンの彗星ガイドによるアトラス彗星L1枚画像(2分露光)ノータッチガイド。

恒星時ガイドでも2分くらいなら動きの遅い彗星の場合は線状に流れないこともありますが、今回彗星自体の動きが速くかつ、2440mmと言うこともあって2分でもここまで動きます。
前半は彗星ガイドで、後半は恒星ガイドと2種類の写真を撮り合成しました。

アトラス彗星2021年4月15日no2
アトラス彗星C/2020R4
2021年4月15日02時46分〜 自宅観測所
望遠鏡:GSー300RC直焦点(2440mmF8)
カメラ:ML16000(−35℃)
赤道儀:ビクセンAXD
ガイド:彗星ガイド:スターブックテンの彗星ガイド
    恒星ガイド;ノータッチガイド
露光: 彗星ガイド:L2分×12枚、RGB各1分×6枚(42分)
    恒星ガイド:L2分×11枚、RGB各1分×7枚(43分)

彗星ガイド分:PIにてキャリブレーション、CometAlignment、RGB合成 ABE、AS、HT。
       PSにてLRGB合成
星ガイド分:PIにてWBPP、RGB合成、ABE、AS、HT。
      PSにてLRGB合成。被り除去。PIにてスターネットコマンドにて星を分離。
合成:PSにて彗星ガイド分と星ガイド(星を分離した2枚画像)をレイヤー配置。
   マスク合成にて両者を合成。合成位置は3時25分時点(上のステラナビゲータの画像の位置)

結構複雑な処理なので大変ですね。違和感のないように処理していますが、邪道だと言われるかもしれません。